「涙のあとに」
第8話
いよいよ運動会の日です。
ついに優卯くんたちのかけっこの時間になりました。
(カメに負けた優卯には負けられない)
みんなの想いは一緒だったのでしょう。誰も口には出していなくても、その気配を優卯くんも感じていたに違いありません。
「じゃあ、次の組、準備して。」
ついに優卯くんたちの順番が来ました。
「落ち着いて、全力を出し切るんですよ。」
先生はいつもの優しい声をかけてました。
「じゃあ、位置について。よーいドン。」
先生のかけ声と同時に一斉に走り出しました。なかなか差が開いていきません。優卯くんに負けたくないみんなは練習をたくさんしてきたようでした。
それでも、もともと足の速かった優卯くんは最後のコーナーの手前では、集団から体一つ分抜け出していました。
このコーナーを曲がれば、ゴールはもう目の前。そのときです。
「うぅわぁ」という声とともに、「どどど…」と大きな音がしました。
その音に優卯くんがふり返ると、ほかのみんなはもみくちゃになって転んでいました。必死になって走っていた集団の中の1羽の子がつまづいて転んでしまい、ほかの子たちもまきこまれていたのです。
ゴールの目の前まで来ていた優卯くんでしたが足は止まっていました。
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