「涙のあとに」

 第10話

「先生。ごめんなさい。」
優卯君たちは顔を落とし謝りました。
拍手も止まり、自然に静かになったそのときです。
先生は優しい表情になり、
「みんなは、勝ち負けより大切なものを手に入れたんです。今日のこと、そして、全員でつないでいるその手のことをいつまでも忘れてはだめですよ。」
と言いながら、全員の頭をなでていきました。一度は鳴り止んだはずの拍手が、また優卯くんたちを包んでいました。
いつまでも鳴り止まない拍手。
みんな運動会のことを忘れて、優卯くんたちに拍手を贈り続けました。

次の日です。
「おはよう。」
元気に教室に入った優卯くんのあいさつ。
「おせーぞ。優卯。今日何して遊ぶ?」
優卯くんはもとどおりたくさんの笑顔に囲まれていました。いっぱい泣いた優卯くんいっぱい笑っています。優卯くんは大切な友達がいます。みなさんも優卯くんに負けないぐらいたくさんの友達がいるはずです。

おしまい

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